mTRAP™ Maxi & Midi

gripNAを用いたmRNA抽出

mTRAP™ Maxi および mTRAP™ Midi Kit は哺乳動物細胞や組織から高品質のmRNAを効率的に抽出できるキットです。キットには, oligo dTよりもmRNAに対して高い結合力と特異性を示すアクティブ・モティフ社のPoly T gripNA™ Probe*が付属しています。 その結果, mRNA抽出の際のrRNAおよびgenomic DNAの混入を減少させることができます。

* Covered under U.S. Patent No. 6,962,906. Purchase includes the right to use for basic research only. Other-use licenses available, please contact your local Technical Services dept.

 
Name Format Cat No. Price  
mTRAP™ Maxi 6 rxns 23006 ¥95,000 Buy
5 x 6 rxns 23506 ¥380,000 Buy
mTRAP™ Midi 24 rxns 23024 ¥115,000 Buy
5 x 24 rxns 23524 ¥424,000 Buy

;mTRAP Maxi Kit にはラージスケールのmRNA抽出 6 回分に必要な全ての試薬とプラスチックチューブが付属されています。それぞれの反応で 0.5-2.0 x 108 細胞または 0.4-1 g の組織から 100-200 µg の mRNAを抽出することができます(細胞種で異なります)。

mTRAP Midi Kit にはミディアムスケールのmRNA抽出 24 回分に必要な全ての試薬とプラスチックチューブが付属されています。それぞれの反応で  0.5-1.0 x 107 細胞または 50-200 mg の組織から 10-20 µg の mRNAを抽出することができます(細胞種で異なります)。


Graphc showing mRNA

図1: mTRAP Maxi, Midi および Total Kitを用いたmRNA抽出の模式図

mTRAP の特長

ペプチド核酸 ( PNA: Peptide Nucleic Acid )はDNAと類似した構造を有しており, デオキシリボースの代わりにN-(2-aminoethyl)glycineにヌクレオシドが結合している化合物ですが1-4, 難溶性で凝集しやすい欠点をもっています。gripNAは分子内に負電荷を持たせることで溶解性を向上させ, PNAの欠点を克服しました5-7。この改良により, gripNAはmRNA抽出に適した性質を持つようになりました。

PNA分子はoligo dTと比較して核酸に対して高い結合力を持っています。この性質により, 従来法よりも塩濃度の低いbinding Bufferやwash bufferを使用することができます。これらの条件下ではステムループ構造をとらないため, Poly T gripNA Probeが全てのmRNA分子のpoly A tailにハイブリダイズできます。また低イオン強度の条件のため, Poly T gripNA Probeに対して非特異的に結合する可能性のある, 核酸やタンパク質の混入を防ぎます。その結果, mTRAP KitはrRNAやタンパク質の混入を防ぎ, 高品質のmRNAを効率的に抽出することができます(図1)。

Genomic DNAがpolyAを含む可能性があることから, oligo dTを用いてmRNAを抽出する際には, genomic DNAの混入がしばしば問題になります。一方Poly T gripNA Probeは相補DNAに対して, 相補RNAに対するよりも高い結合力を持つ, といった性質を持っています。この性質により, mRNAをPoly T gripNA Probeから選択的に溶出することが可能です。75℃の溶出過程でも, genomic DNAとPoly T gripNA Probeの結合は維持されます。genomic DNAが共に抽出されることを完全に防ぐため, オプションでDNase処理を抽出段階で行うこともできます。抽出段階でDNase処理を行うことができるのは, PNAが酵素により分解されないという特性をもっているからです。PNAについての詳細は, mTRAPのプロトコルをご覧下さい。


mTrap comparison chart

図 1: 高品質の mRNA 抽出

1 x 108 および 2 x 108 のHeLa細胞から, mTRAP Maxi Kitおよび他社製品のキットを用いてmRNAを抽出した。得られたmRNAは分光光度計で濃度測定した。なお1 x 108 細胞から得られたmRNA 2 µg は0.8% アガロースゲルで電気泳動した。mTRAPで抽出したmRNAにはgenomic DNAの混入がなく, rRNAの混入はほとんどないことが分かる。

Lane 1: 1 kb DNA Ladder
Lane 2: A社のキットを用いて抽出したmRNA
Lane 3: Q社のキットを用いて抽出したmRNA
Lane 4: mTRAP™ Maxi Kitを用いて抽出したmRNA
Lane 5: I社のキットを用いて抽出したmRNA

mTRAP™ とgripNAの利点

  • oligo dTを使用する方法に比べて, より多くのmRNAを抽出することができます。
  • rRNAおよびgenomic DNAの混入を減少させることができます。
  • mRNAを二次構造で捕獲します。
  • 高品質のmRNAを得ることができます。
  • 少量の核酸を沈殿させる TouchDown™ 試薬が含まれます。

参考文献

1. Nielsen P.E., et al. (1991) Science 254: 1497-1500.
2. Egholm M, et al. (1992) J. Am. Chem. Soc. 114: 1895-1897.
3. Harvey JC et al. (1992) Science 258: 1481-1485.
4. Buchardt O, et al. (1993) Trends Biotechnol. 11: 384-386.
5. Efimov VA, et al. (1998) NAR 26: 566-575.
6. van der Laan, et al. (1996) Tetrahedron Lett. 37: 7857-7860.
7. Efimov VA, et al. (1999) NAR 27: 4416-4426.

Contents & Storage

Poly T gripNA™ Probe, Streptavidin Beads, Protease, Lysis and Wash Buffers, DEPC and HPLC Water, Microcentrifuge Tubes and TouchDown™ Precipitation Reagent. Storage conditions vary from room temperature to -20°C, see manual for details. All reagents are guaranteed stable for 6 months when stored properly.