Global DNA Methylation Assay–LINE-1

ヒトゲノムDNA中のグローバルな5-mCを定量

弊社のGlobal DNA Methylation –LINE-1 Kitは、ヒトゲノム中のグローバルなDNAメチル化レベル(5-methylcytosine (5-mC))を検出・定量できるELISAベースのキットです。このキットは長鎖散在反復配列(LINE-1)における5-mCのレベルを測定します。96-wellアッセイプレートを用いることにより、薬剤や環境因子など、異なる条件を負荷したサンプル間の5-mCレベル変化をスクリーニングするのに最適です。

Assay results for untreated and 5-Azacytidine treated HeLa cells..
Assay results for untreated and
5-Azacytidine treated HeLa cells.

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Global DNA Methylation-LINE-1 Kitの優位性

  • ELISAベースの簡単なアッセイにより5時間で完了
  • 細胞または組織由来ヒトゲノムDNAの解析に最適
  • わずか0.5%のメチル化も検出可能な高感度
  • 10 ngのインプットDNAから5-mCを検出可能(100 ng/wellから始めることを推奨)
  • 定量に必要な標準曲線作成用コントロールとして、Jurkat細胞(ヒト由来)のDNAを提供

癌を含む様々な病気において、ゲノムDNAのメチル化レベルの変化が観察されています。5-mCレベルと、患者の病歴や臨床成績などの相関的な因子を関連づけるために、グローバルなDNAメチル化の定量はますます重要になってきています。アクティブ・モティフのGlobal DNA Methylation – LINE-1 Kitは、グローバルなDNAメチル化の測定法として簡便かつハイスループットな検出・定量法です。LINE-1はヒトゲノムの約17~18%を占め、コピー数はおよそ50万と推定されています1。複数の研究から、LINE-1およびその他の繰り返し配列のメチル化状態はグローバルなDNAメチル化を代表することが示されています2-4。LINE-1の異常なメチル化もまた、癌を含む様々な疾患の発症および予後不良に関連しています5-11。グローバルなDNAメチル化とLINE-1についての詳細は下のLINE-1 Infoタブをクリックしてください。

アクティブ・モティフのGlobal DNA Methylation – LINE-1 Kitは、最適化されたプロトコールに加え、DNA断片化、ハイブリダイゼーション、メチル化DNA捕捉用プレートおよび5-mCの比色定量に必要なすべての試薬を含みます。また、標準曲線の作成に便利な、メチル化レベルが既知のDNAスタンダードも含まれます。

本キットについての詳細は下のMethod, DataまたはContentsタブをクリックしてください。マニュアルおよび関連資料は同様に下のDocumentsタブをクリックしてください。

    1. Weisenberger, D.J. et al. (2005) Nucleic Acids Res., 33(21): 6823-6836.
    2. Lisanti, S. et al. (2013) PLoS One, 8(11): e79044.
    3. Kazazian, H.H.J. (2000) Science, 289(5482): 1152-1153.
    4. Yang, A.S. et al. (2004) Nucleic Acids Res., 32(3): e38.
    5. Ogino, S. et al. (2008) Journal of the National Cancer Institute, 100(23): 1734-1738.
    6. Cho, Y.H. et al. (2010) (2010) Anticancer Research, 30(7): 2489-2496.
    7. Irahara, N. et al. (2010) Journal of Molecular Diagnosis, 12(2): 177-183.
    8. Wilhelm, C.S. et al. (2010) Clinical Cancer Research, 16(5): 1682-1689.
    9. Baccarelli, A. et al. (2010) Epidemiology, 21(6): 819-828.
    10. Kim, M. et al. (2010) PLoS One, 5(3): e9692.
    11. Ohka, F. et al. (2011) PLoS One, 6(8): e23332.
 
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Global DNA Methylation - LINE-1 Kit 1 x 96 rxns 55017 ¥80,000 Buy

グローバルなDNAメチル化と長鎖散在反復配列(LINE-1)

グローバルなメチル化の低下は、ほとんどのヒトの癌において顕著であることが知られています。そこで、5-メチルシトシン(5-mC)レベルと、患者の病歴や臨床成績などの相関的な因子を関連づけるために、グローバルなDNAメチル化の測定はますます重要になってきています。DNAメチル化は主としてCpGジヌクレオチドで起こり、これは主にトランスポゾンやレトロウイルスのコピーを多く含む反復配列の中に見られます。グローバルなメチル化DNAの減少は、老化、発達、腫瘍、精神・神経障害など、人間のさまざまな病態に共通する特徴です。反復配列はヒトゲノムのほぼ50%を構成し、ゲノム全体にわたるDNAメチル化の1/3以上を占めることから、癌で観察されるグローバルな低メチル化は主に反復配列における低メチル化によるものと考えられます1,2DNAの低メチル化は、休止中の反復配列の活性化と、それに続く関連遺伝子の異常な発現をもたらします。また、DNAの低メチル化はゲノムと染色体も不安定化させ、変異発生率の上昇に影響を与えます。

アクティブ・モティフのGlobal DNA Methylation – LINE-1 Kitは、ヒトゲノムDNAの長鎖散在反復配列 (Long Interspersed Nucleotide Element 1; LINE-1)におけるメチル化を検出するよう設計されています。LINE-1のメチル化は、グローバルなDNAメチル化レベルを反映することから、さまざまなサンプルタイプ、治療条件、臨床成績、食事歴、または環境曝露により異なる5-mCレベルの相対的変化を比較するのに有用です。

LINE-1のようなコピー数の多い反復配列におけるメチル化状態は、グローバル、すなわちゲノム全体にわたるメチル化の指標として文献に記載されており、5-mCの総量をシトシンの総量に対する割合として測定する高性能キャピラリー電気泳動 (HPCE)やHPLC、または抗体を用いた手法(IHC、フローサイトメトリー、サウスウエスタンブロット)に取って代わる方法となっています3。繰り返し配列はヒトゲノムの約45%を占め、単純反復配列(サテライトDNA)および複雑反復配列(自律性・非自律性のトランスポゾンに由来する散在性反復配列)の両方から構成されます4-8。DNAメチル化の1/3以上が反復配列で起こると推定されています9-11。LINE-1はヒトゲノムの約17~18%を占め、コピー数はおよそ50万と推定されています12。複数の論文において、LINE-1のようにコピー数の多い反復配列のメチル化状態を、ゲノム全体にわたるDNAメチル化の代表として扱うことが可能であることを示しています13-15。実際、LINE-1のメチル化状態は、HPLCまたはCOBRA法 (Combined bisulfite restriction analysis) およびパイロシーケンス法を用いて測定されたグローバルな5-mCレベルと強い相関を示しています13,15。LINE-1の低メチル化は、癌や脳卒中および心疾患などのリスク上昇と関連し、神経膠腫の予後因子と考えられています16-22

Global DNA Methylation – LINE-1 Assayにおいて、対象とするゲノムDNAは酵素処理により断片化され、ビオチン化されたヒトLINE-1コンセンサス配列にハイブリダイズします。結合しないDNA断片は洗い流され、ハイブリダイズしたDNAはストレプトアビジンでコートされたプレートに固定されます。この方法はDNAの受動的な吸着よりも、ゲノムDNA断片を特異的に捕捉し、アッセイプレートに固着可能です。非特異的な断片が洗い流されて余分なDNAが減少するため、高いS/N比が得られます。DNA断片がプレートに固定された後、抗5-mC抗体およびHRP結合二次抗体を用いてメチル化断片の検出を行います。分光光度計を用いて簡便に比色定量が行えます。

このキットを用いたアッセイは5時間以下で完了できることに加えて、0.5%のメチル化を検出可能なほど高感度です。弊社ではインプットDNA量として100 ng/well から始めることを推奨していますが、最も低濃度の時で10 ng/wellのインプットDNAから5-mCを検出できた例もあります。

    1. Weisenberger, D.J. et al. (2005) Nucleic Acids Res., 33(21): 6823-6836.
    2. Lisanti, S. et al. (2013) PLoS One, 8(11): e79044.
    3. Dahl, C. and Guldberg, P. (2003) Biogerontology, 4: 233-250.
    4. Lander, E.S. et al. (2001) Nature, 409: 860-921.
    5. Jordan, I.K. et al. (2003) Trends Genet., 19: 68-72.
    6. Weiner, A.M. et al. (2002) Curr. Opin. Cell. Biol., 14: 343-350.
    7. Deininger, P.L. et al. (2003) Curr. Opin. Genet. Dev., 13: 651-658.
    8. Prak, E.T. and Kazazian, H.H.J. (2000) Nature Rev. Genet., 1: 134-144.
    9. Kochanek, S. et al. (1993) EMBO J., 12: 1141-1151.
    10. Schmid, C.W. et al. (1998) Nucleic Acids Res., 26: 4541-4550.
    11. Bestor, T.H. (1998) Novartis Found. Symp., 214: 187-195.
    12. Kazazian, H.H.J. (2000) Science, 289(5482): 1152-1153.
    13. Yang, A.S. (2004) Nucleic Acids Res., 32(3): e38.
    14. Weisenberger, D.J. et al. (2005) Nucleic Acids Res., 33(21): 6823-6836.
    15. Lisanti, S. et al. (2013) PLoS One, 8(11): e79044.
    16. Ogino, S. et al. (2008) Journal of the National Cancer Institute, 100(23): 1734-1738.
    17. Cho, Y.H. et al. (2010) (2010) Anticancer Research, 30(7): 2489-2496.
    18. Irahara, N. et al. (2010) Journal of Molecular Diagnosis, 12(2): 177-183.
    19. Wilhelm, C.S. et al. (2010) Clinical Cancer Research, 16(5): 1682-1689.
    20. Baccarelli, A. et al. (2010) Epidemiology, 21(6): 819-828.
    21. Kim, M. et al. (2010) PLoS One, 5(3): e9692.
    22. Ohka, F. et al. (2011) PLoS One, 6(8): e23332.

Global DNA Methylation – LINE-1 アッセイの作業手順

図1: Global DNA Methylation – LINE-1 Assayの概略図

Global DNA Methylation – LINE-1 Assayにおいて、解析対象とするゲノムDNAはまず、キットで提供されるMseI酵素を用いて消化されます。これにより、ヒトLINE-1トランスポゾンに対応するビオチン化コンセンサス配列とハイブリダイズするのに最適な断片が作られます。LINE-1プローブは、LINE-1反復配列の290 bp領域を評価するように設計されていますが、この配列は88個のシトシン塩基を含み、そのうちの12個がCpGを形成しています。プローブとハイブリダイズしたサンプルDNAが96-wellプレートに固定された後、メチルシトシンは抗5-mC抗体、HRP標識二次抗体および発色試薬を用いて検出されます。キットに含まれるメチル化レベルが既知のDNAスタンダードを用いて標準曲線を作成し、各DNAサンプルの5-mCの相対的なレベルを決定します。

Global DNA Methylation – LINE-1 Assay

Global DNA Methylation – LINE-1キットはヒトゲノムDNAにおける5-メチルシトシン(5-mC)を特異的に検出・定量することを目的としたELISAベースのアッセイです。DNAサンプル中に含まれる5-mCの相対的レベルをより簡単に決定するため、標準曲線作成用にメチル化レベルが既知のDNAスタンダードが提供されます。

Global DNA Methylation – LINE-1 Assay compares 5-mC levels across cell lines and treatment conditions
図1: Global DNA Methylation – LINE-1 キットを用いた5-アザシチジン投与によるHeLa細胞における5-mCレベル変化の定量

0.05 µMの5-アザシチジンを投与したHeLa細胞のゲノムDNAをMseIにより消化し、100 ng/wellの濃度でメチル化レベルを評価しました。DNAメチル基転移酵素 (DNMTs)の阻害剤として知られる5-アザシチジンを投与したところ、予想されたように、投与群は未投与群に対してグローバルなメチル化の減少が観察されました。各DNAサンプルのメチル化率 (% 5-mC)は、キットで提供されるDNAスタンダードと、フィッティングソフトウェアを用いて決定することができます。

Global DNA Methylation – LINE-1 Assay standard curve
図2: Global DNA Methylation – LINE-1 キットを用いた標準曲線のグラフ表示

各スタンダードDNAにより表されるメチル化率(% 5-mC)をx軸に取り、スタンダードDNA (丸形)およびサンプルDNA (菱形)の450 nmにおける正味OD値をy軸にプロットしました。Readerfitソフトウェア(※)を用いて、スタンダードDNAのプロットに対してフィッティングを行い、描いた曲線から、サンプルDNAの% 5-mC値を算出しました。ここで示す標準曲線のダイナミックレンジは、1%から13%の範囲でメチル化率を検出することが可能です。標準曲線から外挿することにより、このアッセイでは、わずか0.5%のメチル化を検出することが示されています。

※訳注:Readerfitは開発元による販売・サポートが終了しています。

 


構成品と保存条件

The Global DNA Methylation – LINE-1 Kit には96回分の反応に十分な試薬が含まれます。

Global DNA Methylation – LINE-1 Kitはドライアイスと共に出荷されますが、幅広い保存温度の構成品が含まれます。商品の到着後、すべての試薬等が含まれることを確認し、下記の適切な温度で保管してください。すべての試薬等は適切に保管された場合、6か月間安定であることを保証します。本キットには下記の構成品が含まれます:

  • LINE-1 Probe (2.5 µM); -20℃保存
  • MseI enzyme (10 U/μl); -20℃保存
  • 10X MseI Reaction Buffer; -20℃保存
  • Methylated DNA Standard (10 ng/μl); Store at -20°C
  • Non-methylated DNA Standard (10 ng/μl); Store at -20°C
  • 5-Methylcytosine mAb; -20℃保存
  • Anti-mouse HRP-conj. secondary Ab; 4℃保存
  • Assay Buffer AM3; 4℃保存
  • 20X Wash Buffer; 4℃保存
  • 96-well Streptavidin plate; 4℃保存
  • Developing Solution; 4℃保存
  • Stop Solution; Store at RT
  • 5X Hybridization Buffer; 室温保存
  • 10X Buffer W; 室温保存
  • Plate sealer; 室温保存
  • 0.2 ml PCR stripwell tubes; 室温保存