CUT&Tag-IT™ Assay Kit

浅いシーケンス深度で実現する迅速なヒストンマークのゲノムワイド解析

 

CUT&Tag-IT™ Assay Kitの概要

Cleavage Under Targets and Tagmentation (CUT&Tag)は、ゲノムにおけるヒストン修飾および転写因子の局在を調べるための方法です。これを用いてタンパク質とDNA間の相互作用を明らかにしたり、標的タンパク質のDNA結合部位を同定したりすることができます。

クロマチンアクセシビリティ依存的にオープンクロマチン領域を標的とするMNase-SeqやATAC-Seqと異なり、CUT&Tagは抗体の結合を利用し手法で、ゲノムに結合する特定のヒストン修飾や転写因子などの標的タンパク質に特異的なクロマチン結合情報を明らかにします。

CUT&Tagは、ChIP-Seqと同じ原理に基づいていますが、特定の状況で有利となるようプロトコールにいくつかの変更を加えています。固定したクロマチンをソニケーションして免疫沈降をする代わりに、CUT&Tagでは、新鮮な未固定(非凍結)の細胞をコンカナバリンAビーズに結合させ、ネイティブな状態で細胞と抗体のインキュベーションを行います。抗体の結合に続けて、あらかじめシーケンス用アダプターが導入されたプロテインA結合Tn5トランスポゾーム酵素(pA-Tn5)を用いたタグメンテーション反応により、クロマチン消化とNGSライブラリー調製をワンステップで実行します。

CUT&TagはChIP-Seqよりも少ないサンプルから高品質な結果を迅速に得ることが可能であり、深度の浅いシーケンスで十分な解析を可能とするため時間とコストを抑えることができます。

CUT&Tagの詳細はこちら

CUT&Tag-IT™ Assay Kit Advantages:

  • 最少5,000個の細胞に適用可能
  • 最適化されたプロトコールと試薬をセットにしたキット
  • ヒストンマークおよび、いくつかの転写因子で検証済み
  • ChIP-Seqにおける時間とコストのかかる工程を排除したライブラリー調製
  • 低バックグラウンドが可能にする深度の浅いシーケンシング
  • ホルマリンを使用せずネイティブな標的タンパク質を用いた解析

How the CUT&Tag-IT™ Assay Works

How the Cut&Tag-IT™ Assay Works

CUT&Tag vs. CUT&RUN vs. ChIP-Seq

  CUT&Tag CUT&RUN ChIP-Seq
ネイティブ条件で実施? はい はい いいえ
クロマチンの断片化法 Tn5を用いたタグメンテーション MNaseによる消化 ソニケーション
細胞数 5,000-500,000 cells 500,000 cells 1-10 million cells
シーケンス深度 * 2 million reads ** 8 million reads 20-50 million reads
ライブラリー調製キットの必要性 なし。タグメンテーションを利用 あり。別工程で実施 あり。別工程で実施
適用可能な標的 主なヒストン修飾、いくつかの転写因子およびコファクター 主なヒストン修飾、いくつかの転写因子およびコファクター 幅広いヒストン修飾、転写因子およびコファクター
作業時間 1-2日 1-2日 2-3日

* Kaya-Okur et al. Nature Communications (2019) 10:1930

** For less abundant targets of interest, 8 to 10 Million reads are recommended

 

CUT&Tag-IT™ Assay Kitの構成品

The CUT&Tag-IT™ Assay Kitは、温度帯の異なる2つの箱で出荷されます。-20℃保管となる構成品はドライアイスとともに、凍結不可で4℃保管とすべき構成品は室温でのお届けとなります。開封後、すべての試薬等はマニュアルに記載の適切な条件で保管してください。適切に保管された場合、受け取り日から6か月間安定であることを保証します。

含まれる試薬等:

  • 5% Digitonin, store at -20°C
  • Concanavalin A Beads, store at 4°C
  • CUT&Tag-IT™ Assembled pA-Tn5 Transposomes, store at -20°C
  • Tagmentation Buffer, store at -20°C
  • 1X Binding Buffer, store at 4°C
  • 1X Wash buffer, store at 4°C
  • Dig-Wash Buffer, store at 4°C
  • Antibody Buffer, store at 4°C
  • Dig-300 Buffer, store at 4°C
  • Guinea Pig Anti-Rabbit Antibody, store at -20°C
  • Protease Inhibitor Cocktail, store at -20°C
  • 0.5M EDTA, store at RT
  • 10% SDS, store at RT
  • 10 µg/µL Proteinase K, store at -20°C
  • DNA Purification Columns, store at RT
  • DNA Purification Binding Buffer, store at RT
  • DNA Purification Wash Buffer, store at RT
  • DNA Purification Elution Buffer, store at RT
  • 3M Sodium Acetate, store at RT
  • 10 mM DNTPs, store at -20°C
  • 5X Q5 Buffer, store at -20°C
  • Q5 High Fidelity DNA Polymerase (2U/µL), store at -20°C
  • i5 Indexed Primer 1, store at -20°C
  • i5 Indexed Primer 2, store at -20°C
  • i5 Indexed Primer 3, store at -20°C
  • i5 Indexed Primer 4, store at -20°C
  • i7 Indexed Primer 1, store at -20°C
  • i7 Indexed Primer 2, store at -20°C
  • i7 Indexed Primer 3, store at -20°C
  • i7 Indexed Primer 4, store at -20°C
  • SPRI Beads, store at 4°C

CUT&Tag検証済み抗体をご使用ください!

アクティブ・モティフは、ヒストンやヒストン修飾、クロマチンタンパク質の他、多様な因子に対する高品質な抗体を製造しており、CUT&Tagアッセイにおいて良好な結果が得られることを検証した抗体も数多く取り揃えていますのでCUT&Tag検証済み抗体をご確認ください。

 

CUT&Tag-IT™ Assay Kit で得られたデータ

CUT&Tag-IT™ Assay Kit compared with published data(クリックして拡大)

図1:CUT&Tag-IT Assay KitのデータはENCODEのChIP-Seqデータと相関する
ヒト由来K562細胞から得られたヒトゲノム 領域(Chr16: 10,400-11,250)における868 kbにわたるクロマチンのデータ。100,000細胞に対しCUT&Tag-IT Assay Kitを用いて得られたそれぞれのシグナルH3K27me3 (青)、phospho-Pol2Ser2 (赤)、CTCF (オレンジ)、H3K4me3 (緑)、H3K9ac (水色)、H3K9me3 (紫)およびH3K27ac (黒)は、いずれも最低1,000,000細胞が用いられたENCODEのChIP-Seqデータと高い一致を示した。このCUT&Tagアッセイには以下の抗体を使用した:H3K27me3: cat. no 39155, CTCF: cat. no. 61311, H3K4me3: cat. no. 39159, H3K9ac: cat. no. 39917, H3K9me3: cat. no. 39161, H3K27ac: cat. no. 39133

 

CUT&Tag-IT™ Assay Kitの FAQ

CUT&Tag-IT™ Assay KitにはCUT&Tagの実験に必要なものが全部含まれますか?

はい。このキットにはpA-Tn5トランスポゾームを必要なもの含むすべてが入っています。他に必要なものは一般的な実験室にある機器と英文マニュアルの”Additional Materials Required”に記載された試薬類のみです。

CUT&TagとChIP-Seqは、どう違うのですか?

CUT&TagはChIP-Seqと以下の点が異なります

  • 細胞のホルマリン/ホルムアルデヒドによる固定が不要
  • ソニケーションなどによるクロマチンの断片化が不要
  • より少ない細胞でも実施可能
  • ライブラリー調製まで簡単
  • 低バックグラウンド
  • 浅いシーケンス深度で解析可能

どのような時にChIP-SeqよりもCUT&Tagを選べばいいですか?

CUT&Tagは限られた細胞数しか得られないようなサンプルで、ゲノムワイドなヒストン修飾を調べる場合に最適な選択です。通常の転写因子の研究にはChIP-Seqを推奨します。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitはどんなサンプルに適用できますか?

今のところ、培養細胞にのみ適用可能です。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitではどのくらいの細胞が必要ですか?

1反応あたり50,000~100,000細胞を推奨します。ただし、弊社では5,000個ほどの細胞から有用なデータが得られたこともあります。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitを使用する場合、細胞はどのように調製すれば良いですか?

CUT&Tag-IT™ Assay Kitのマニュアルに従ってください。接着細胞の剥離にはトリプシンを使用してはいけません。これは、細胞表面のダメージによりコンカナバリンAと細胞の吸着が阻害されるためです。接着細胞の場合には、セルスクレーパーなど酵素を用いない方法をご使用ください。

凍結保存した細胞でもCUT&Tag-IT™ Assay Kitを利用可能ですか?

DMSOなどを含む凍結保存液を使用して保存した細胞は利用可能です。瞬間凍結させた細胞ペレットは本キットのプロトコールに適合しません。細胞の凍結保存法は弊社の Services sample prep protocolをご参照ください。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitにおすすめのコントロールは?

手技および試薬類に対するポジティブコントロール抗体としてH3K27me3 (cat# 39157)が使用できます。ネガティブコントロールとしては、一次抗体を使用せず、二次抗体のみの反応を行うことを推奨します。これにより、使用した細胞に対する二次抗体とpA-Tn5のバックグラウンドレベルを知ることができます。

IgGコントロールは必要?

CUT&Tagの実験においてIgGコントロールをおく目的は、一次抗体が濃縮した特定のゲノム領域にpA-Tn5が特異的に分布するかを確認するためであり、ChIP-Seqにおけるインプットコントロールとは異なります。そのため、CUT&TagではIgGコントロールは必須ではありません。アクティブ・モティフのR&Dチームは、pA-Tn5の特異性が高く、IgGコントロールを使用した実験が付加的な価値を産まないことを確認しています。もちろん、IgGコントロールの実験を行うことは問題ありません。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitで推奨するQCステップはありますか?

ライブラリー調製後、テープステーションやバイオアナライザーを用いてライブラリーの品質を確認すべきです。理想的なライブラリーは、ほとんど500 bp以下です。ライブラリー濃度の決定にはKAPA Library Quantification Kitの使用を推奨します。

CUT&TagではChIP-Seqのように INPUTコントロールは必要ですか?

いいえ。CUT&Tagはinputコントロールを必要としません。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitでの使用が検証された抗体はありますか?

CUT&Tag-IT™ Assay Kitで検証済みの弊社の抗体は下のリンクをご参照ください: https://www.activemotif.com/catalog/1319/cut-tag-validated-antibodies

ChIP-Seq検証済み抗体はCUT&Tag-IT™ Assay Kitでも使用可能ですか?

CUT&TagとChIP-Seqは抗体反応条件が異なります。このため、ChIP-Seqで使用できてもCUT&Tagで使用できるとは限りません。ただしアクティブ・モティフの CUT&Tag-IT™ Assay Kit検証済み抗体がない場合には、ChIPグレード、 ChIP検証済みと表示のある抗体を試されるのは良い選択です。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitはモノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でも使用可能ですか?

はい。二次抗体に、抗ウサギ抗体を用いるため、一次抗体はウサギ抗体でしたらどちらでも使用可能です。

CUT&Tagはタグを付けたタンパク質でも適用可能ですか?

弊社ではCUT&Tag-IT™ Assay Kitを用いてタグ付きタンパク質とタグに対する抗体を使った検証を行っていませんが、原理的に可能と考えられます。

アクティブ・モティフで販売しているSpike-In標準化法はCUT&Tag-IT™ Assay Kitでも利用可能ですか?

いいえ。ChIP-SeqのSpike-In標準化法はCUT&Tag-IT™ Assay Kitとは互換性がありません。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitで16種類以上のマルチプレックスは可能ですか?

CUT&Tag-IT™ Assay Kitは16反応分として4x4のユニークなデュアルインデックスが提供されます。弊社では現在のところ、これ以上のインデックスプライマーはご用意していません。しかし、キットに含まれるインデックスプライマーの配列はイルミナ社のN701-N704および N501-N504に一致したものです。 もし、16サンプル以上のマルチプレックスをご希望の場合は、イルミナ社のNexteraプライマーを購入し、弊社のキットと同じ濃度(25 μM)でご使用ください。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitはシーケンス前にqPCR解析が可能ですか?

可能とも不可能とも言えません。qPCRは可能かもしれませんが、Tn5によるアダプターの挿入はランダムであり、またChIP-Seqで得られる断片よりも短いため、設計したプライマーセットの両端まで維持された断片は少ないと考えられます。このため、片側のプライマーしかアニールしない断片は増幅されないため、誤差を含む可能性があります。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitのライブラリーはシングルインデックス、それともデュアルインデックス?

CUT&Tagライブラリーはデュアルインデックスです。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitのライブラリーには分子バーコードが含まれますか?

いいえ。CUT&Tagライブラリーは分子バーコードを含みません。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitのライブラリーは、シングルエンドとペアエンドのどちらでシーケンスすべきですか?

The CUT&Tag-IT™ Assay Kitで調製されたライブラリーは、ペアエンドをご使用ください。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitを使用するときのおすすめのリード長は?

38塩基長のペアエンド (PE38)を推奨します。この手法を開発したDr. Henikoffの研究室のプロトコールよりも短いですが、データの質やマッピングレートに影響がないことを確認しています。もちろん、より長いリード長を使用することも可能です。

CUT&Tag-IT™ Assay Kitを使って得られたシーケンスデータは、どのように解析すれば良いですか?

CUT&Tagのシーケンスデータは、ChIP-seqと同様に解析します。弊社ではMACS2を用いてピークコールを行うBWAアルゴリズムを採用しています。

 

 

CUT&Tag-IT™ Assay Kitの資料

 

 

 

Order CUT&Tag-IT™ Assay Kit

 

最良の結果を得るためにCUT&Tag検証済み抗体のご利用をおすすめします。



こちらもご参照ください:

US Pat. No. 10,689,643, EP Pat. No. 2999784 and related patents and applications

Permitted Use; Resale Prohibited

In the absence of an express written agreement to the contrary, all products are sold and services deliverables are provided by Active Motif for (a) internal in vitro research purposes only and may not be used for services or any other commercial purpose (b) the exclusive use of the original purchaser, and are not to be resold. You agree not to reverse engineer or otherwise attempt to discover the structure or composition of products or services deliverables unless we otherwise agree in writing.

 
Name Format Cat No. Price  
CUT&Tag-IT™ Assay Kit 16 rxns 53160 ¥203,500 Buy
pA-Tn5 Transposase 10 µg 53161 Get Quote