scATAC-Seqの概要

Single Cell ATAC-Seq (scATAC-Seq)は、DNAトランスポゼース(転移酵素)を利用してシーケンスプライマーを導入し、オープンクロマチン領域をシーケンスし 同定する従来のATAC-Seq方法をもとに開発され、個々の細胞レベルでのクロマチンアクセシビリティー領域や、活性制御領域のプロファイリングを可能とします。
我々のscATAC-Seq受託サービスでは、一度に数千個の細胞におけるゲノムワイドなクロマチンアクセシビリティーを解析することで、従来のATAC-Seqではできなかったヘテロな集団のポピュレーション解析を可能とします。
scATAC-Seqを使う利点
scATAC-Seqを使用すると、細胞集団を個別に分離せずにサンプル内で異なるクロマチンアクセシビリティプロファイルを持つ細胞亜集団を特定できるため、サンプル操作により生物活性を変化させてしまうFACSや磁気選別などの分離戦略が必要ありません。例えば以下のことができます。
- 腫瘍サンプルにおけるがん幹細胞または浸潤マクロファージの特定
- 薬物治療への応答に関与する新規細胞亜集団(すなわち、レスポンダー対耐性細胞)の特定
- クロマチンのアクセシビリティの変化を伴う細胞のサブポピュレーションの特定による、分化・発生の過程(すなわち、脳の発達、ヘルパーT細胞の発達、B細胞の分化など)の洞察を提供
Active Motif's end-to-end scATAC-Seq service includes:
- 組織・細胞処理
- トランポゼース反応
- 10X Genomics Chromiumを使ったサンプル処理
- ライブラリー作成
- 次世代シーケンス
- バイオインフォマティクス解析
scATAC-Seq Data

Figure 1:単一サンプル内における異なる細胞サブポピュレーション間のクロマチンアクセシビリティ変化の同定.
マウス腎臓組織から生成されたシングルセルATAC-Seqのデータ.tSNEプロット上で色分けされた各クラスターは,同じオープンクロマチンプロファイルを持つ細胞ポピュレーションを示します.この手法により,単一サンプルから12個の細胞ポピュレーションを同定しました.

Figure 2:scATAC-Seqを用いた個々の細胞ポピュレーション解析により, “bulk” ATAC-Seqによって捕捉されなかった細胞サブポピュレーションの特異的なデータ
上パネル:マウス腎臓組織を用いたゲノムワイドな“bulk” ATAC-Seqの代表的な領域図. 下パネル:ゲノムワイドなscATAC-Seqデータから得られた“bulk” ATAC-Seqと同じ領域の代表例.各細胞クラスターは,それぞれ色分けされたピークトラックとして示されます.scATAC-Seqは,細胞ポピュレーションごとのオープンクロマチンピークプロファイルを同定することで,特定の表現型を誘導する細胞の同定を可能にします.
scATAC-Seq FAQ
Single cell ATAC-Seqとは?
scATAC-Seqと一般的なATAC-Seqの違いは何ですか?
scATAC-Seq受託サービスの品質管理は?
- scATAC-Seqのライブラリーを調製後、qPCR による定量もしくはTapeStationを使ってライブラリーの品質を確認します。
- Deepシーケンスの前に、浅いシーケンス(5-10M リード)を行い、定量的な指標(FRIPスコアやピークス数)を確認します。
- フルスケールシーケンスの後に、バイオインフォマティクス分析中に評価されるいくつかの数値的およびグラフィカルな品質指標があります。
ヒト以外のサンプルも受け付けていますか?
FFPEサンプルの解析も可能ですか?
アクティブ・モティフのscATAC-Seq受託サービスは、どのくらいの細胞数/組織量が必要ですか?
Active MotifのscATAC-Seq受託サービスのリード数は?
scATAC-Seq 関連資料
scATAC-Seq Service Sample Submissionポータル
オンラインSample Submissionポータルは、解析したいサンプルの情報をアクティブ・モティフの担当者と共有し、依頼者には解析の進捗をご覧いただけるサイトです。 解析を依頼するために必要な連絡先、サンプルの情報、また解析の内容を記載していただきます。記載の方法や、サンプル提出方法について、ご不明な点がありましたら「[email protected]」までご連絡ください。