5hmC Profiling Kit

5hmC-Seal法を使った5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hmC)濃縮法

 

5hmC Profiling Kitの概要

5hmC Profiling Kit
 

特許取得済みの5hmC-Seal技術*に基づく5hmC Profiling Kitのプロトコールは、5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hmC)を含むDNA断片を検出・捕捉し、リアルタイムPCRまたはNGSシーケンシングの解析で利用できるように設計されています。方法は、まずβ-グルコシルトランスフェラーゼ酵素を利用することにより、修飾されたグルコース部分が二本鎖DNA中の5-hmC残基に選択的に転移されます。次に、この修飾グルコースを用いてビオチン結合体を化学的に結合させ、ストレプトアビジン磁気ビーズで5-hmC含有断片を捕捉・濃縮します。すべてのDNAの精製工程は、便利なSPRIビーズを用いて行われます。

5hmC Profiling Kitには、グルコシル化およびビオチン化反応、ストレプトアビジン捕捉、溶出、5-hmCを含むDNAの精製を行うために必要なすべての試薬が含まれています。さらに、濃縮の効率と特異性を検証できるように、Spike-inコントロールDNAとPCRプライマーも含まれています。

* Song, C.X., et al., Nature Biotechnology. 29, 68-72 (2011).
Patent US 8,741,567 B2.

5hmC Profiling Kitの特長

  • 高い選択性: 5-mCとの交差反応なしで、 5-hmCのみを化学的に修飾することが可能
  • 低いバックグラウンドと高い感度: ビオチン-ストレプトアビジンの強力な結合を使って、hMeDIPよりも、強い洗浄が可能
  • 品質確認コントロールを含む: Spike-in コントロールDNAとPCRプライマーをキットに含むため、5-hmCの濃縮効率と選択性の確認が容易にできる
  • 簡単で迅速: 作業は、5時間以内
5hmC Profiling Kit Flowchart
5hmC Profiling Kit Flowchart

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5hmC Profiling Kitの構成品

5hmC Profiling Kitはドライアイスで出荷されますが、構成品は異なる保存温度の試薬が含まれています。製品受領後、各試薬は下記の温度で保存してください。すべての試薬は適切に保管された場合、受取日より6ヶ月間の安定性が保証されています。Streptavidin BeadsやSPRI Beadsは再凍結しないでください。解凍後は適切な温度で保存してください。本キットには以下の構成品が含まれています:

Reagents Quantity Storage
Beta-glucosyltransferase 55 µl -20°C
UDP-Azide-Glucose 65 µl -20°C
10X Reaction Buffer 140 µl -20°C
Biotin Conjugate Solution 500 µl -20°C
Spike-in DNA (10 ng/µl) 55 µl -20°C
5hmC Spike-in Primer 160 µl -20°C
5mC Spike-in Primer 160 µl -20°C
Streptavidin Beads 620 µl 4°C
Binding Buffer AM13 28 mL 4°C
10X Elution Buffer AM2 140 µl 4°C
SPRI Beads 4.5 mL 4°C
TT Buffer 3.6 mL RT
10 mM Tris-HCl, pH 8 11 mL RT


 

 

5hmC Profiling Kitデータ

Specificity of 5hmC Profiling Kit for enrichment of 5hmC DNA.
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図 1: 5-hmC DNA の濃縮に対する 5hmC Profiling Kit の特異性
超音波処理した310 ngのマウス脳ゲノムDNAに31 pg(1:10,000)の陽性コントロールSpike-in DNAを添加し、5hmC Profiling Kitプロトコルを用いてtriplicateで処理した。溶出・精製されたDNAは、3種類のマウス特異的プライマーセット(Agap1、Necap1、Ppm1h)および同梱の5hmCおよび5mC Spike-in Primerセットを用いてリアルタイムPCRを行った。濃縮反応の効率と選択性を決定するために、% Inputを計算した。 Agap1、Necap1、Ppm1hプライマーセットは、5-hmCを含むことが知られているそれぞれの遺伝子内の領域をターゲットとしている。Spike-in DNA (10 ng/µl)は、5-メチルシトシン(5-mC)または5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hmC)を含む2つの異なるdsDNA断片の等モル混合物を含む。5hmCおよび5mC Spike-inプライマーセットは、それぞれこれらの5-mCまたは5-hmC dsDNA断片をターゲットとする。ライブラリー調製やシーケンスに進む前の濃縮効率は、これらのスパイクインを使ったqPCR法で決定できる。ネガティブコントロールは、ヒドロキシメチルシトシンを含まない領域に対して実施した。


 

Input titration shows good correlation of peaks down to 10 ng of input gDNA.
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図2: 10 ngまでのインプットゲノムDNAの量とピークの良好な相関
PIXULで断片化したマウス脳gDNAを、5hmC Profiling Kitのプロトコルを用いて、2.5 µg、80 ng、40 ng、10 ngのインプット量で処理した。キットで得られた断片からライブラリーを作成し、各サンプルの5-hmCの局在を決定した。1番染色体の代表的な22 Mbのサンプルでは、すべての入力量の間に良好な相関が見られた。


 

Sequencing data shows good correlation between published datasets.
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図3:得られたデータは、公表されているデータと良好な相関を示した
PIXULを使って断片化したマウス脳ゲノムDNA 2.5μgを、5hmC Profiling Kitのプロトコルを用いて処理した。5-hmCを濃縮した断片からライブラリー調製を行い、塩基配列を決定した。hMe-SealのデータはSong et al., Nature Biotech, 2011で公開されているものを並べた。

 

5hmC Profiling Kitの技術資料

 


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Name Format Cat No. Price  
5hmC Profiling Kit 24 rxns 55023 ¥109,000 Buy
UDP-Azide-Glucose 1 vial 55020 ¥58,000 Buy