Ras GTPase Chemi ELISA Kit

活性化Ras GTPaseを迅速に高感度で検出

 

Ras GTPase Chemi ELISA Kitの概要

Ras GTPase Chemi ELISA Kitは、細胞または組織中の活性化されたRas GTPaseを検出・定量するためのELISAベースのキットです。活性化型Rasの定量は、新たなRas活性化シグナルの解析や、変異したRasタンパク質の量、また治療薬の効果を検証するのに役立ちます。

Ras GTPase Chemi ELISA Kitは、活性化型Rasに特異的に結合するc-Rafキナーゼタンパク質のRas結合ドメイン(Raf-RBD)を利用したアッセイです。GSTと融合したRaf-RBDをグルタチオンでコートした96ウェルプレートに結合させた後、測定したいサンプルをプレートに加えることで、活性化型Rasがプレートに結合します。ここに抗Ras抗体を加えて、さらにHRP標識した二次抗体を加えます。その後、プレートをルミノメーターで測定することで、活性化型Rasの量を定量します。96ウェルプレートで行うため、手作業による少数のサンプル処理からハイスループットの解析まで対応します。

Flow Chart of Ras GTPase Chemi ELISA Kit

Flow Chart of Ras GTPase Chemi ELISA Kit
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Ras GTPaseについて

Rasタンパク質は、 GTPの加水分解酵素です。GTPに結合し加水分解する活性を有しており、分子スイッチの役割を果たしています。GTPに結合したRasは、活性型となり、エフェクタータンパク質を活性化して、細胞の増殖、分化のシグナルを下流へ伝達します。一方、GDPに結合したRasは不活性型となります。

Rasのシグナルは通常、一過的に活性化されます。それは、Rasに結合したGTPが速やかにGDPへ加水分解され、不活性化型になるためです。しかしながら、がんなどで見られる変異したRasは、GTPに結合したような活性化型の状態で維持されます。そうなると、Rasのシグナルが常に活性化されて細胞は制御不能となり、増殖を繰り返すことになります。実際に、ヒトのがんの30%でこのRas遺伝子の変異が検出されており、特に膵臓、肺、大腸がんではさらに高率で変異が見つかっています。そのため、Rasはがんの研究や治療において重要な標的となっています。

Ras GTPase Chemi ELISA Kitの特長

  • 検出範囲   1ウェルあたり、3-25 mgの細胞抽出液、もしくは0.6 ngの精製タンパク質 
  • 感度   ELISAアッセイは、プルダウン/ウェスタンブロットよりも高感度
  • 多用途   細胞または組織抽出液、もしくは精製Rasタンパク質が利用可能。
  • 反応性   活性化型ヒトK-RasまたはH-Ras、または活性化型げっ歯類H-Ras
  • 短時間   5時間以内
 

Ras GTPase Chemi ELISA Kitの構成品

Ras GTPase Chemi ELISA Kitは、96反応分の試薬を含んでいます。ドライアイス詰めで発送されます。キット到着後に構成品を確認して、それぞれの試薬に適した温度で保管ください。すべての試薬は、受領後適切に保管された場合6ヶ月安定であることを保証いたします。このキットの構成品は以下の通りです。

  • Hela whole-cell extract (EGF treated); Store at -80°C
  • GST-Raf-RBD; Store at -80°C
  • H-Ras antibody; Store at -20°C
  • Anti-rat HRP-conjugated IgG; Store at -20°C
  • Protease Inhibitor Cocktail (PIC); Store at -20°C
  • Lysis/Binding Buffer AM1; Store at 4°C
  • 10X Wash Buffer AM2; Store at 4°C
  • 10X Antibody Binding Buffer AM2; Store at 4°C
  • Chemiluminescent Reagent; Store at 4°C
  • Reaction Buffer; Store at 4°C
  • 96-well Glutathione-coated Assay Plate; Store at 4°C
  • Plate Sealer; Store at 4°C
 

Ras GTPase Chemi ELISAのデータ

Ras GTPase Chemi ELISA quantifies activated Ras

Figure 1: RasGTPase Chemi ELISAキットによる活性化型Rasの定量
HeLa細胞を5 ng/ml のEGFで2分間刺激し、その全細胞抽出液の活性化型Rasを定量した。比較としてEGFで刺激をしていない同量の細胞抽出液を基底状態の活性化型Rasとして用いた。

 

Ras GTPase Chemi ELISA Kit FAQs

凍結した細胞、組織を使うことはできますか?

新鮮なサンプルを使うことを推奨します。サンプルの活性化状態を測定するため、サンプルの凍結融解による影響が考えられます。もし凍結したサンプルしか得られない場合には、サンプルの融解、および溶解(ホモジナイズ)にComplete Lysis/Binding Bufferを用いることを推奨します。細胞溶解液は、分注して-80℃で保管することができますが、凍結融解は避けてください。

組織サンプルの調製方法について教えて下さい

組織サンプルを利用いただく場合には、まず組織を分散させて1細胞毎にする必要があります。そのため、Nuclear Extract Kitを用いて全細胞抽出液を取得することを推奨しています。

どのタイプのRasを検出できますか?

キットに添付のH-Rasの抗体は、ヒトのH-RasおよびK-Ras、マウスのH-Rasを認識します。

どのようなコントロールがキットに付属していますか?

陽性コントロールとして活性化型Rasを含むEGF処理したHeLa細胞抽出液が、8反応分添付されます。この抽出液は1wellあたり25μgを利用することで、強いシグナルが検出されるよう最適化されています。

その他、どのようなコントロールが利用できますか?

GTPγSおよびGDPを利用して、それぞれ陽性コントロール、陰性コントロールとする方法を製品マニュアルで紹介しています。

 

Ras GTPase Chemi ELISA Kitの資料

 

 

 

Ras GTPase Chemi ELISA Kitの購入

 



こちらもご参照ください:

 
Name Format Cat No. Price  
Ras GTPase Chemi ELISA Kit 1 x 96 rxns 52097 ¥140,000 Buy

Ras GTPase Chemi ELISA の利点

  • 高感度- 25 µgの細胞抽出液で検出できます。これは, プルダウン/ウェスタンブロッティング法で使用するサンプルの1/20量です。
  • よりよい結果 - 定量性があるため, 結果の比較が簡便です。
  • 簡便 - ゲル電気泳動やブロッティングの必要がありません。
  • 短時間 - 5時間以内に結果が得られます。
  • 多用途 - 活性化された細胞や組織抽出物, もしくはリコンビナントRasタンパク質を解析できます。
 
図1: EGF処理したHeLa細胞における活性化Rasの定量

HeLa細胞を5 ng/mlのEGFで2分間処理し, 細胞を抽出した。Ras GTPase Chemi ELISA Kitを用い, それぞれの細胞抽出量における活性化Rasシグナルを解析した。

GTP結合タンパク質としても知られる低分子GTPaseは, 細胞増殖, アポトーシスや細胞分化を含む多数のシグナル伝達経路を制御する分子スイッチとして働く酵素ファミリーの1つです。Ras GTPaseに注目するのは, RASの異常制御が多くの疾患の原因となっているためです。

Ras GTPase Chemi ELISA 法

活性化RasはRafエフェクタータンパク質のRas結合部位(RBD:Ras-binding domain)に結合するため, Raf-RBDはRas-GTPを単離するプローブとして使用することができます。Ras GTPase Chemi ELISA KitにはGSTと融合させたRaf-RBDタンパク質とグルタチオンコートされた96ウェルプレートが含まれます。まずプローブとして使用するGST-Raf-RBD融合タンパク質をプレートに固定するため1時間反応させます。次にサンプルをプレートに添加することで, 活性化RasはRaf-RBDタンパク質に結合します。続いてRas特異的な一次抗体をそれぞれのウェルに添加し, HRP標識二次抗体, developing試薬を順次添加します。最後にルミノメータを使用して, 活性化Rasを高感度で定量的に測定します。

 
Flow chart of the Ras GTPase Chemi ELISA Kit process
 
図1: Ras GTPase ELISA操作法

Contents & Storage

96-well glutathione-coated assay plate with plate sealer, GST-Raf-RBD, primary antibody, HRP-conjugated secondary antibody, positive control cell extract, Protease Inhibitor Cocktail, Lysis and Reaction buffers. Reagent storage conditions vary from room temperature to -80°C, see manual for details. All reagents are guaranteed stable for 6 months when stored properly.