リキッドバイオプシーサンプルを用いたエピジェネティック解析

Liquid Biopsy Analysis

 

リキッドバイオプシーは、医師や研究者がさまざまな疾患を診断し治療する方法を変えつつあります。研究ツールおよび解析方法の改善により、一般的なリキッドバイオプシーサンプル中に存在する微量の物質について、遺伝子検査およびエピジェネティック検査を実施することが可能になってきました。これらの新しい検査は、以前のアプローチにくらべて迅速に医師に多くの情報を提供し、より迅速な診断とより良い治療戦略を可能にします。リキッドバイオプシーは、組織生検に比べて費用も侵襲性も低いため、患者にとっても負担が少なく優れています。

しかし、リキッドバイオプシー解析、特にエピジェネティック解析はまだ比較的新しく、非常に活発な研究領域です。臨床研究者は、リキッドバイオプシー試料を用いて、DNAメチル化プロファイルなどの新規バイオマーカーを同定・検証し、疾患の検出速度および患者の治療法を改善しています。

 

リキッドバイオプシーとは何か?

リキッドバイオプシーは、患者から非侵襲的に生体サンプルを得る方法です。リキッドバイオプシーは血液、血漿または血清サンプルが最も一般的ですが、その他の体液を用いることも可能です。

リキッドバイオプシーにより、多くの異なる種類のバイオマーカーについて解析することができ、疾患の進行、治療への応答、または疾患早期の警告的徴候を探すための診断または予後検査に一般的に用いられます。

Liquid Biopsy Analysis

リキッドバイオプシーは非侵襲的であり、たとえば採血のみで済むため、短期間に複数の検体を頻繁に採取することができます。このアプローチは多くの場合、組織生検よりも好まれます。なぜなら、この方法は複数のデータポイントの作成を可能にして、患者の健康に関するより完全な情報を医師に提供し、医師が治療をより綿密にモニターして必要な修正をできる限り迅速に行えるからです。

リキッドバイオプシーの最も一般的な用途は、現在、ヒトにおける癌の診断検査です。例えば、リキッドバイオプシー検体を解析して血中循環腫瘍細胞(CTC)または癌に関連する突然変異を含む血中循環無細胞DNA (cfDNA)の存在を調べます。さらに癌、その他のヒト疾患に関連するエピジェネティックな変化をリキッドバイオプシーを用いて同定、検出するためのアッセイも開発されています。

 

リキッドバイオプシー検体のエピジェネティック検査

リキッドバイオプシーのエピジェネティック解析は、これまで主に遊離DNAのDNAメチル化状態と、血中循環セルフリーヌクレオソームの量と修飾状態の解析が注目されていました。

リキッドバイオプシー検体におけるDNAメチル化の解析法

リキッドバイオプシーによるDNAメチル化アッセイは、一般に、血漿または血清サンプル中の遊離DNA(セルフリーDNA)を単離することから始めます。Cell-Free DNA Purification Kitは、この工程を容易かつ効率的にします。血液中に遊離したcfDNAは、疾患バイオマーカーを含むゲノム領域が豊富であると考えられます。そのため、cfDNAにおけるバイオマーカーを最も高感度かつ特異的に検出するためには、白血球から全ゲノムDNAを得るよりもcfDNAを特異的に単離することが重要です。

cfDNAが精製された後に行う次のアッセイは、実験目的に依存します。グローバルなDNAメチル化レベルの数値が必要な場合は通常、ハイスループット ELISAアッセイが行われます。このタイプの包括的なアッセイは、大きな変化や広範囲な変化を伴うDNAメチル化のハイスループット解析に適していますが、ゲノム中の数少ない特定の領域におけるメチル化状態の変化を検出するには十分な感度を有していない可能性があります。

もし、ゲノムの特定領域におけるメチル化状態を決定することが目的ならば、メチル化DNA免疫沈降(MeDIP)またはメチル基結合ドメイン濃縮アッセイのようなアッセイがより適しています。ゲノムワイドなスケールでメチル化を見るためには、MeDIP-Seqまたはreduced representation bisulfite sequencing (RRBS)のような方法が必要となるでしょう。これらの方法は、研究者が全ゲノムシーケンス解析をせずに、ゲノムワイドなメチル化レベルの変化を研究することを可能にします。

多くの研究者はリキッドバイオプシー検体の最も完全な解析を行うために、複数の異なるDNAメチル化アッセイ法を組み合わせて用います。例えば、臨床研究者は多くの場合、数百のサンプルからなるコホート全体を対象としたハイスループットなグローバルDNAメチル化アッセイから始めます。次に、そのELISAベースのアッセイ結果を使用して、MeDIPキット, MeDIP-Seqサービス、またはRRBSサービスでさらに調べるサンプルを決定します。

 

血中循環セルフリーヌクレオソームの検出および測定法

リキッドバイオプシー検体のエピジェネティックプロファイルを解析するためのもうひとつのアプローチは、血中を循環するセルフリーヌクレオソームのレベルを測定することです。ヌクレオソームは、ヒストンタンパク質に巻きついたDNAを含む複合体です。血清中の循環ヌクレオソーム濃度の上昇は、いくつかの異なるヒト疾患の表現型と関連しています。そのため、セルフリーヌクレオソームは新しいクラスのエピジェネティックバイオマーカーとして確立されてきています。

リキッドバイオプシー検体におけるヌクレオソームを検出し定量化する技術は、Active Motif社とVolition社が共同開発し商品化しました。Volition社は、ヒトと動物の両方において疾患に対する診断法の開発を行っています。

セルフリーヌクレオソーム解析技術はNu.QTMと呼ばれます。Nu.Qキットは迅速かつハイスループットな定量的ELISAベースのアッセイであり、わずか10 マイクロリットルの血清から循環ヌクレオソームを特異的に検出するよう設計・最適化されています。現在、ヒストンH3またはカノニカルなバリアントであるヒストンH 3.1を含むヌクレオソームを検出するNu.Qキットがご利用可能です。

血液サンプルに対するChIPアッセイ

従来のクロマチン免疫沈降(ChIP)アッセイも、全血サンプルに由来する末梢血単核細胞(PBMC)に対して行うことができます。PBMCサンプル中に存在する血液細胞は、他のサンプルタイプよりも小さく溶解しにくいため、一般的に作業が困難です。

ChIP-IT®PBMCキットは、これらの細胞のために特別に開発された溶解法とクロマチン調製法によりこの問題を解決し、PBMCサンプルを用いたChIPアッセイを可能な限り容易かつ効率的にします。

 

リキッドバイオプシーのエピジェネティクス解析について

エピジェネティクスの研究は複雑で、この急速に変化する分野についていくのは難しいと感じることもあります。アクティブ・モティフがこうした皆様を支えます!私たちは最新の情報を集約し、資料を作成して提供し、多くの人がエピジェネティクスの専門家になることをサポートいたします。

リキッドバイオプシーの関連資料

Epigenetics of Aging

DNAメチル化や、セルフリーヌクレオソームの増加など、エピジェネティックな変化は、加齢と関連することが知られています。血漿または唾液のような試料を用いるリキッドバイオプシーは、患者におけるエピジェネティックな変化を調べるために、ますます一般的なアプローチになっています。

このポスターは、Active Motifのハイスループットアプローチにより、健常若年者および高齢者から採取したヒトのリキッドバイオプシー検体の、エピジェネティックな変化を検出した例を紹介しています

 

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