TIP-ChIPアッセイキットの概要
関連製品
- TIP-ChIP-Validated Antibodies: TIP-ChIP検証済抗体
- Diversi-Phi Indexed PhiX: ベースコール精度を向上させるためのデュアルインデックスPhiXライブラリ
- TIP-ChIP Services: 多サンプル解析のための“End-to-end”サービス。
日本語チラシはこちら。
TIP-ChIP(Tagmented, Indexed, and Pooled ChIP-Seq)は、最大96サンプルを1回の反応で解析できるよう設計された、簡便かつコスト効率に優れた次世代型ChIP技術です。従来のクロマチン免疫沈降法 (ChIP) と比べて、 1サンプルあたり30万~100万細胞という、少ない細胞数で解析でき、サンプル間のばらつきを大幅に抑えられるメリットがあります。TIP-ChIPは、個々のサンプルをインデックス化したうえでまとめてプールし、その後に免疫沈降を行う2ステップワークフローを採用することでハイスループットなChIP解析が可能になります。
本手法は、複数サンプルを同一実験内で解析する用途に特に有用です。TIP-ChIPでは、サンプルを各ターゲットごとにプールするため、従来のChIPのようにサンプルごとに免疫沈降反応を行う必要がなく、各標的につき1回の免疫沈降のみで解析が完結します。その結果、実験ステップが大幅に削減されます。
TIP-ChIPの特長:
- 最大96サンプルを同時に解析可能
- Tn5による偏りのないクロマチン断片化
- ChIP反応におけるサンプル間のばらつきを排除
- 1サンプルあたり30万~100万細胞で実施可能
- 従来のChIP-Seqに比べて圧倒的な時間短縮
ChIP-Seqは、DNA-タンパク質相互作用およびヒストン修飾をゲノムワイドに解析するために確立された手法です。しかしながら、100万〜1000万細胞という非常に多くの細胞数の必要性、時間と手間を要する煩雑なプロトコル、クロマチン調製の難しさ、1反応あたり1サンプルのみの処理数、さらにバッチ効果といった、いくつかの問題点が存在します。
TIP-ChIPはこれら問題点の多くを克服するため、複数サンプルを1つの免疫沈降反応 (IP) にまとめる手法を採用しています。これにより、1サンプルあたり必要な細胞数は30万〜100万細胞まで低減され、1回のIPに対して8サンプルをプールして解析することができます。さらに、 TIP-ChIPでは、従来のようにクロマチンを調製し、ソニケーターなどで断片化する代わりに、Tn5トランスポゼースを用いて断片化し、各サンプルごとに固有のバーコードを導入します。この仕組みにより、アッセイ全体のワークフローが効率化され、データ品質も向上し、バッチ効果を排除することができます。
TIP-ChIPアッセイの仕組み
Fig 1. TIP-ChIP Assayのワークフロー
TIP-ChIPは、Tn5によるタグメンテーションに続く免疫沈降プルダウンにより、簡便かつ高スループットなChIP-Seqを可能にする。
TIP-ChIP用の細胞サンプル調製方法については、こちらの動画をご覧ください。
クロマチンプロファイリング手法の比較
| 方法 | 必要細胞数 | マルチプレックス | ばらつき | ライブラリ調製 | 対象 | シーケンス量 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| TIP-ChIP | 30万~100万 | あり | 1回のIPに統合されるため非常に低い | 統合型 | ヒストン修飾・転写因子 | 20~30M |
| ChIP-Seq | 100万~1000万 | なし | サンプル間のばらつきは大きい | 別工程 | ヒストン修飾・転写因子 | 20~50M |
| CUT&RUN | 50万 | なし | サンプル間のばらつきは中程度 | 別工程 | ヒストン修飾・転写因子 | 8M |
| CUT&Tag | 5万~50万 | なし | サンプル間のばらつきは中程度 | 統合型 | ヒストン修飾 | 2~8M |
TIP-ChIPで使用可能な抗体について
アクティブ・モティフは、ヒストン、ヒストン修飾、クロマチン関連タンパク質、その他の因子に対する高品質抗体の製造を専門としており、その中には、TIP-ChIPアッセイで良好に機能することを社内で実験的に検証した抗体群も含まれています。 TIP-ChIPは、ChIP-Seqで使用可能な多くの抗体が利用できるものの、ChIP-Seqで検証済みのすべての抗体がTIP-ChIPで良好に機能するとは限りません。そのため、このアプリケーションに適した検証済み抗体を選択することが重要です。TIP-ChIPにおける抗体最適化のガイドラインは、マニュアルに記載されています。
TIP-ChIPの利点
Tn5トランスポゼースを利用することで、タグメンテーション (DNAの切断とアダプター付加) とインデキシング (バーコード付加) を効率的に組み合わせて実施します。また、通常のATAC-SeqにおいてはTn5が開いたクロマチンに偏りやすいのですが、TIP-ChIPではこれらの工程に改良を加えることで、サンプル全体を対象とするようバイアスの少ないタグメンテーション反応を実現しています。
Fig 2. タグメンテーションから始まるTIP-ChIPワークフロー
TIP-ChIPにおけるTn5反応は、オープンクロマチン領域のみを選択的にタグメンテーションするようなバイアスを示さず、全体を対象として均等に作用する。
タグメンテーション後、免疫沈降に用いる断片を調製するためのソニケーションは非常に短時間で終了し、各プールしたサンプルごとにのみ実施します。ソニケーションは、従来型のプローブ式ソニケーター、またはPIXUL® のいずれを用いても行うことができます。
Fig 3. プールしたサンプルのプローブ型またはPIXUL® Multi-Sample Sonicatorによるソニケーション効果
ソニケーションを行うことで、タグメンテーション後の断片がより多く遊離し、ソニケーションを行わない場合(赤色)と比較して、より多くのピークが検出されていることが確認できる。プールした3種類の別々のTIP-ChIPサンプルに対して、PIXULを用いてそれぞれ30秒、2分、30分のソニケーションを実施した (紫)。また、別のプールサンプルには従来型のプローブソニケーターを用いたソニケーションを実施した (茶)。
PIXULおよび従来型プローブソニケーターのいずれも、TIP-ChIP解析に適用可能であることが確認できた。
TIP-ChIP Assay Kitの実験デザイン
TIP-ChIP Assay Kitには、ヒストン修飾や転写活性を解析するための抗体として、H3K27ac、H3K4me3、およびRNAポリメラーゼII (Ser2リン酸化型) 抗体が含まれています。これら3種類の抗体を組み合わせることで、活性遺伝子制御および転写ダイナミクスを強力に可視化することができます。実験の目的およびサンプル量に応じて、96ウェルブレイクアウェイプレート (分割可能な96穴プレート) を、各抗体につき24ウェルずつ使用するように設定することができるほか、別のターゲットに対する抗体の最適化のため、以下に示す組み合わせで使用することも可能です。
(Click image to enlarge)
TIP-ChIP™ Assay Kit Contents
- TIP-ChIP Assembled Transposomes Plate, store at -20°C
- Hypotonic Quench, store at 4°C
- 5X TC Tag Buffer, store at -20°C
- 10X PBS, store at 4°C
- Digitonin (1%), store at -20°C
- 10% Tween 20, store at RT
- Chromatin Opening Buffer, store at RT
- SPRI Beads, store at 4°C
- Releasing Buffer, store at RT
- Protease Inhibitor Cocktail (PIC) store at -20°C
- 5M NaCl, store at RT
- Proteinase K, store at -20°C
- RNase A, store at -20°C
- BSA 9(10 mg/ml), store at -20°C
- blocker, store at -20°C
- Blocking Reagent AM1, store at -20°C
- ChIP Buffer without SDS, Store at RT
- ChIP Buffer, store at RT
- LiCl Buffer, store at RT
- Wash Buffer AM1, store at RT
- TE, pH 8.0, store at RT
- Elution Buffer AM4, store at RT
- ChIP Filtration Columns, store at RT
- TIP-ChIP Columns, store at RT
- AM qPCR Dye, store at -20°C
- TIP-ChIP DNA Binding Buffer, store at RT
- TIP-ChIP DNA Wash Buffer, store at RT
- DNA Purification Elution Buffer, store at RT
- Protein A Agarose Beads, store at 4°C
- Q5 Polymerase NGS MM, store at -20°C
- AM i5-001 Primer, store at -20°C
- AM i5-002 Primer, store at -20°C
- AM i5-003 Primer, store at -20°C
- AM i5-004 Primer, store at -20°C
- AM i5-005 Primer, store at -20°C
- AM i7-001 Primer, store at -20°C
- AM i7-002 Primer, store at -20°C
- AM i7-003 Primer, store at -20°C
- AM i7-004 Primer, store at -20°C
- AM i7-005 Primer, store at -20°C
- Stop Solution, store at RT
- Diversi-Phi Indexed PhiX, store at -20°C
- AM qPCR Standard 1, store at -20°C
- AM qPCR Standard 2, store at -20°C
- AM qPCR Standard 3, store at -20°C
- AM qPCR Standard 4, store at -20°C
- AbFlex® Histone H3K27ac antibody (rAb), store at -20°C
- Histone H3K4 me3 antibody (pAb), store at -20°C
- AbFlex® RNA pol II CTD phospho Ser2 antibody (rAb), store at -20°C
- Tagmentation Stop Solution, store at 4°C
TIP-ChIP Assay Kitの実験データ
Fig 4. ENCODE ChIP-Seqデータとの高い一致性の実証
H3K27acについて、12種類のバーコード付きK562サンプルを一括してTIP-ChIP反応に供し、バーコードによりサンプルごとにデマルチプレックスした。ゲノムブラウザのトラックには、プールした全サンプルのシグナルを統合してバルクChIP-Seq相当として算出したシグナル (赤)、各サンプルにデマルチプレックスされた信号 (紫)、およびENCODE ChIP-Seqデータのトラック (茶) を示している。
これらを比較すると、ピークの位置も強度もよく一致しており、 TIP-ChIPで複数サンプルを一括処理し、サンプルごとに分解して解析した場合でも、通常のChIP-Seqと同様に、ゲノム座標レベルで正確な情報が得られ、データ品質が維持されることが確認された。
Figure 5. 転写因子およびヒストン修飾に対するTIP-ChIPの検証
ゲノムブラウザのトラックは、TIP-ChIPで検証した各抗体のエンリッチメントパターンを示している。使用した抗体は、BRD4 (Cat. No. 91301)、CTCF (Cat. No. 91285)、PU.1、RNAポリメラーゼII (Pol II) , RNAポリメラーゼII C末端ドメインSer2リン酸化型 (Pol II CTD Ser2リン酸化) (Cat. No. 91115), H3K4me1 (Cat. No. 39159)、およびH3K27me3である。各トラックは、それぞれの標的に特有の結合パターンとゲノム上での分布が得られていることを示している。
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TIP-ChIP: Tagmented, Indexed, and Pooled ChIP-Seq to Generate High-Throughput, Multi-Sample Results for Low Input Samples - presented at American Society of Human Genetics (ASHG), 2025.
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TIP-ChIP Assay Kitの資料
こちらもご参照ください
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- Diversi-Phi Indexed PhiX
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- [Webinar] TIP-ChIP: Tagmented, Indexed, and Pooled ChIP - High-throughput results, low input samples
- [Blog] The latest ChIP Tip – How to Measure Single-cell Chromatin States with itChIP-Seq
- [Poster] TIP-ChIP: Tagmented, Indexed, and Pooled ChIP-Seq to Generate High-Throughput, Multi-Sample Results for Low Input Samples [ASHG 2025]
| Name | Format | Cat No. | 価格 (税抜) | |
|---|---|---|---|---|
| TIP-ChIP™ Assay Kit | 1 x 96 rxns | 53211 | ¥462,500 | Buy |








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