Single-Cell Multiome-Rhapsody Service Overview

Active Motifが提供するSingle-Cell Multiome-Rhapsody受託解析サービスは、同じ単一細胞から遺伝子発現 (RNA) とクロマチンアクセシビリティ (ATAC) を同時に解析でき、細胞内の様々な調節機構を詳細に評価することができます。BD Rhapsody™のマイクロウェルベースのプラットフォームでは、重力を利用した穏やかな細胞捕捉技術を採用しており、サンプルの完全性を保持した状態で解析を進めることができます。さらに、各細胞のデータを正確に識別するバーコーディング方式により、高品質で再現性の高いシングルセルデータが得られます。
また、抗体を用いたサンプルへのタグ付けによるマルチプレックス解析に対応しており、同一種であれば、最大4つのサンプルをまとめて1回の反応で処理できます。マルチプレックス解析により、サンプル間のばらつきを抑え、スループットを向上させながら、全体のコストを削減できます。
Single-Cell Multiome-Rhapsodyの特長
- 同一のシングルセルからRNA-SeqとATAC-Seqを同時に解析し、遺伝子発現とクロマチン情報を統合的に解析可能
- マルチプレックス解析対応により、 1回の反応で同一種のサンプルを最大4種類まで処理可能
- マルチプレックスワークフローにより、処理時間と試薬コストを削減できるコスト効率の高い設計
- マイクロウェルベースの細胞捕捉技術を採用し、細胞 (核) への負担を軽減し高い再現性を確保
- サンプルプール処理によるバッチ効果の低減
- 統合された品質管理とダブレット検出により高品質なデータを実現
- ATACおよびGEXライブラリで、それぞれ1細胞あたり約25,000リード取得
Single-Cell Multiome-Rhapsody受託解析サービスに含まれる内容:
- Nuclei Preparation: 細胞、組織サンプルからの高品質な核単離
- Sample Tagging & Quantification: サンプル固有のタグの付与と、正確な核数のカウント
- Sample Pooling: タグ付けされた核を1つの反応系へマルチプレックス化
- ATAC Tagmentation: クロマチンのアクセス可能領域へのTn5酵素によるタグメンテーション反応
- Single-Cell Capture (BD Rhapsody): バーコード付きビーズによる各マイクロウェルへの核の分離
- Nuclear Lysis & Capture of mRNA and ATAC fragments: 核の溶解と、放出された核酸のビーズ上へのハイブリダイズ
- Reverse Transcription & Barcoding: RNAからcDNAへの変換と、細胞ごとのバーコードとUMIの付加
- Library Preparation & Amplification: ライブラリの調製と増幅
- Sequencing: Illuminaプラットフォームを用いたシーケンシング
- Bioinformatic Analysis: 遺伝子発現、クロマチンアクセシビリティ、サンプル情報を統合した解析
Single-Cell Multiome-Rhapsody受託解析サービスのデータ
Fig. 1: マウス脳Multiome-RhapsodyデータにおけるRNAおよびATACの品質管理
マウス脳由来の核サンプル (N=4) を用いて遺伝子発現とクロマチンアクセシビリティを統合したマルチオーム解析を行い、weighted nearest neighbor (WNN) ベースのUMAP上に可視化した。上段には遺伝子発現の品質管理指標を、下段にはクロマチンアクセシビリティの品質管理指標を示す。 遺伝子発現 のQC指標 (RNA QC) には、細胞あたりの総RNAカウントが含まれ、シーケンシング深度の一貫性を示している。また、細胞あたりの検出遺伝子数はトランスクリプトームの複雑性を反映し、ミトコンドリア転写産物の割合は細胞ストレスや損傷の指標としてデータ全体で評価されている。クロマチンアクセシビリティのQC指標 (ATAC QC) には、細胞あたりの総ATACフラグメント数が含まれ、クロマチンアクセシビリティの測定深度の均一性を示している。また、細胞あたりに検出されたオープンクロマチンピーク数はクロマチン状態の複雑性を反映し、ヌクレオソームシグナルはフラグメントの周期性を測定することでクロマチン構造の評価に用いられている。さらに転写開始点 (TSS) でのエンリッチメントスコアも示されており、値が高いほどプロモーター領域でのシグナルが強く、高品質なクロマチンアクセシビリティデータであることを示す。本図は、各サンプル間で遺伝子発現とクロマチンアクセシビリティの両データが高品質かつ一貫して取得されていることを示している。
Fig. 2: 遺伝子発現とクロマチンアクセシビリティの統合に基づくマウス脳サンプルのクラスタリングとサンプル構成の評価
マウス脳由来の核サンプル (N=4) を用いてマルチオーム解析を行い、weighted nearest neighbor (WNN) ベースのUMAP上に可視化した。左パネルでは細胞をサンプル由来ごとに色分けしており、各サンプルがクラスタ全体に均等に分布していることから、サンプル間で一貫性が高いことを示している。中央パネルではクラスタリングにより、転写状態およびクロマチンアクセシビリティに基づく20の細胞集団(クラスタ0〜19)が同定されている。右パネルでは各サンプルにおけるクラスタごとの細胞割合を積み上げ棒グラフで示しており、各サンプル間で細胞種構成が概ね一貫していることを示している。
Fig. 3: Single-Cell Multiome-Rhapsodyデータにおけるマウス脳サンプル間での細胞クラスタリングの再現性
マウス脳由来の核サンプル (N=4) を、遺伝子発現とクロマチンアクセシビリティを統合して構築した weighted nearest neighbor (WNN) ベースのUMAP上に可視化した。各パネルは単一サンプル (Rep1〜Rep4) を示し、統合解析によって得られた全体のクラスタ割り当て (クラスタ0〜19) に基づいて細胞を色分けしている。各サンプルにおいてクラスタの空間分布が一貫していることから、サンプル間で細胞集団が安定して識別されていること、および生物学的リプリケート間のばらつきが小さいことが示唆される。このパターンは、遺伝子発現とクロマチンアクセシビリティの統合解析およびクラスタリング結果の高い再現性を支持している。
Fig. 4: マウス脳Single-Cell Multiome-Rhapsodyデータにおける代表的な遺伝子座でのクロマチンアクセシビリティのクラスタ別解析
S1pr1 (左: chr3) およびMag (右: chr7) の2つの代表的遺伝子座において、細胞クラスタ (0~19) ごとのATAC-seqのシグナルトラックを示す。さらに各パネルの右側にあるバイオリンプロットはそれぞれのクラスタにおける遺伝子発現量の分布を表し、ATAC-seqのシグナルトラックはゲノム上におけるクロマチンアクセシビリティの分布を示している。各遺伝子座の下部には遺伝子アノテーションを示し、遺伝子領域および転写方向を併記している。また、ATAC-seqで検出されたピーク領域は灰色バーで表示している。これらの可視化により、クラスタ間で異なるアクセシビリティパターンが確認され、細胞種特異的な制御活性が示唆された。特にS1pr1およびMag領域では、特定のクラスタにおいてアクセシビリティの上昇が認められ、観察されたクラスタ間のクロマチンアクセシビリティおよび遺伝子発現の差異は脳内細胞集団間での調節状態の違いと一致する。
Single-Cell Multiome-Rhapsody Service Publications
https://scomix.bd.com/hc/en-us/articles/28543597300621-BD-Rhapsody-System-Latest-Publications
Single-Cell Multiome-Rhapsody受託解析サービスのFAQ
1. Single-Cell Multiome-Rhapsody受託解析サービス全般
本受託解析サービスは、BD Rhapsodyプラットフォームを採用したシングルセル-マルチオーム解析で、同一の細胞から遺伝子発現 (RNA-seq) とクロマチンアクセシビリティ (ATAC-seq) を同時に解析することが可能です。
- FASTQファイル
- 遺伝子発現マトリックスおよびATAC-Seqピークマトリックス
- 品質管理 (QC) 指標
- デマルチプレックス結果
- 包括的なバイオインフォマティクス解析レポート
2. 解析要件について
1回の反応で最大4つのサンプルをマルチプレックス解析できるため、以下の用途に最適です:
- 実験条件の比較
- 反復実験 (レプリケート) 解析
- コスト効率の高い研究デザイン
各サンプルはプーリング前に、固有のオリゴタグ付き抗体 (サンプルタグ) で標識され、シーケンス後に以下のように機能します:
- 各細胞のサンプル由来がタグ情報に基づいて割り当てられます
- ダブレットまたはマルチプレットが検出・除去されます
- サンプルタグ情報はバーコードと統合され、遺伝子発現およびクロマチンアクセシビリティデータと紐づけて解析されます
最大4サンプルをマルチプレックスすることで、実験の一貫性が向上し、サンプル間のばらつき (バッチ効果) を低減できるとともに、実験全体のコスト削減につながります。
3. 検体要件について
Single-Cell Multiome-Rhapsody受託解析サービスでは、組織、培養細胞、免疫組織および腫瘍サンプルに加え、凍結保存された単一細胞懸濁液にも対応しています。
最良の結果を得るためには、25万~200万個の凍結保存細胞、または20~50mgの凍結組織を推奨しています。
BD Rhapsodyシステムは、マルチプレックス機能を備えたマイクロウェルベースのプラットフォームであるのに対し、10x Genomicsプラットフォームは、ゲノムワイドな解析に最適化されたドロップレットベースのシステムです。当社のベンチマーク実験では、BD Rhapsodyと10x Genomicsから得られたデータは、高い相関を示すことを確認しています。
ATACライブラリおよびRNAライブラリのいずれについても、シーケンス深度は1細胞あたり約25,000リードを目標としています。
- RNA(遺伝子発現)ペアエンドシーケンシング (2 x 75 bp) を用い、100サイクルキットを用いてシーケンスを行います。
- ATAC(クロマチンアクセシビリティ)ペアエンドシーケンシング (2 x 50 bp) を用い、200サイクルキットを用いてシーケンスを行います
Single-Cell Multiome-Rhapsody受託解析サービスの資料
Single-Cell Multiome-Rhapsody Service Sample Submissionポータル
オンラインSample Submissionポータルは、解析したいサンプルの情報をアクティブ・モティフの担当者と共有し、依頼者には解析の進捗をご覧いただけるサイトです。 解析を依頼するために必要な連絡先、サンプルの情報、また解析の内容を記載していただきます。記載の方法や、サンプル提出方法について、ご不明な点がありましたら「[email protected]」までご連絡ください。





