ATAC-Seq Express Kitの概要
関連製品:
- ATAC-Seq Spike-In Control: データセット間での変動を補正します。
- Nextera™-Compatible Multiplex Primers (96 plex): ATAC-SeqやCUT&Tag-IT®アッセイのマルチプレックス (最大96サンプル) に便利なインデックスプライマーセット
- Tn5 and Pre-indexed Assembled Tn5 Transposomes: インデックスがプレミックスされたReady-to-useのTn5 Transposomesおよびrecombinant Tn5 Transposase
- Bioinformatic Services: キットから得られたNGSデータを使用したカスタムバイオインフォマティクス解析
- ATAC-Seq Services受託解析サービス: 新鮮な細胞や組織に対応したEnd-to-endのATAC-Seqサービス
ATAC-Seq Express Kitはシリカビーズを用いたDNAクリーンアップ工程を採用し、ワークフローの高速化、DNA回収率の向上、そして高い再現性を実現しました。また、ATAC-Seq Assay Kit (Cat No.53150) で使用されている1.5 mlマイクロチューブに代わり、0.2 mlチューブで洗浄ステップを行うようプロトコルが更新されたことで、操作の煩雑さを大幅に軽減し、複数サンプルの同時処理は勿論のこと、自動化にも対応します。ATAC-Seq Express Kitは、信頼性の高いこれまでのATAC-Seq Assay Kitをベースに改良されており、新鮮または凍結された細胞・組織から、高品質かつ再現性の高いライブラリを今までより短時間で作製することが可能です。
アプリケーション例
- ゲノムワイドなクロマチンアクセシビリティ解析
- 転写調節エレメント(エンハンサー、プロモーター)の同定
- 希少または貴重な細胞種のエピゲノムプロファイリング
ATAC-Seq Express Kitの特長と利点
- スピーディかつシンプルなビーズベースのクリーンアップ
シリカビーズによるDNA精製により、スピンカラムが不要。遠心ステップがなくなることで作業時間が短縮。 - 高品質、高収量のライブラリ作製
シリカビーズを用いたDNA回収により、少量サンプルや多彩な細胞タイプにおいても高感度、高品質なデータを実現。 - 高速プロトコルでも変わらぬ高性能
細胞からライブラリ調製可能なDNAの調製まで4時間以内で実施可能。
ATAC-Seq Express Kit (Cat No.53157) とATAC-Seq Assay Kit (Cat No.53150) の違い
| 特長 | ATAC-Seq Express Kit (Cat No.53157) | ATAC-Seq Assay Kit (Cat No.53150) |
|---|---|---|
| 精製方法 | シリカビーズ精製 | スピンカラム精製 |
| 作業時間 | <4時間 | 約5時間 |
| DNA回収率 | 増加 | 標準 |
| 自動化対応 | 対応可能 | 限定的 |
ATAC-Seq Express Kitの構成品
- ATAC Lysis Buffer, store at RT
- Assembled Transposomes, store at -20°C
- 10X PBS, store at RT
- 2X Tagmentation Buffer, store at -20°C
- 10% Tween 20, store at RT
- 1.0% Digitonin, store at -20°C
- Q5 High-Fidelity DNA Polymerase (2U/µL), store at -20°C
- 5X Q5 Buffer, store at -20°C
- 10 mM dNTPs, store at -20°C
- i7 Indexed Primer 1, store at -20°C
- i7 Indexed Primer 2, store at -20°C
- i7 Indexed Primer 3, store at -20°C
- i7 Indexed Primer 4, store at -20°C
- i5 Indexed Primer 1, store at -20°C
- i5 Indexed Primer 2, store at -20°C
- i5 Indexed Primer 3, store at -20°C
- i5 Indexed Primer 4, store at -20°C
- SPRI Beads, store at 4°C
- Silica Beads, store at 4°C
- DNA Purification Binding Buffer, store at RT
- DNA Purification Wash Buffer, store at RT
- DNA Purification Elution Buffer, store at RT
ATAC-Seq Express Kitデータ
図1. K562細胞におけるATAC-Seq Express KitとATAC-Seq Assay Kit (Cat No.53150) のシグナルトラック比較
IGVブラウザのトラックには、ATAC-Seq Express Kit (赤) およびATAC-Seq Assay Kit (緑) を用いて、それぞれ50,000個のK562細胞から得られたATAC-Seq濃縮プロファイルを示している。いずれも新鮮なK562細胞において、非常に類似したクロマチンアクセシビリティパターンが確認された。また、ATAC-Seq Express Kitを用いた細胞数の段階希釈の結果も示されており、12,000個 (青) および1,000個 (オレンジ) のK562細胞において一貫したシグナルが得られている。 (1,000細胞や12,000個の細胞使用を推奨するものではありません。推奨は100,000細胞となりますのでご注意ください。)
図2. マウス脾臓組織サンプルにおけるATAC-Seq ExpressプロトコルによるATAC-Seqシグナルトラックについて
IGVブラウザのトラックには、ATAC-Seq Express Kitを用いて、4つのテクニカルレプリケートから得られたクロマチンアクセシビリティプロファイルを示している。ライブラリは、凍結したマウス脾臓組織30 mgから単離・カウントした100,000個の核を用いて調製した。すべてのシグナルトラックで、一貫して代表的なゲノム領域におけるシグナルの濃縮パターンが確認された。
図3. ATAC-Seq Express KitとATAC-Seq Assay Kit (Cat No.53150) によるクロマチンアクセシビリティプロファイルの相関
ATAC-Seq Express KitおよびATAC-Seq Assay Kitを用いて、50,000個のK562細胞から得られた全ゲノム規模のクロマチンアクセシビリティプロファイルを比較したピアソン相関ヒートマップを示す。相関係数 (Pearson r > 0.96) が高いことから、両キットの結果に高い相関があること、そしてATAC-Seq Express kit試薬とプロトコルの高い再現性を示している。つまり、 ATAC-Seq Express Kitが、 ATAC-Seq Assay Kitと同じように正しい領域を検出していることを示している。
ATAC-Seq Express Kit FAQs
このキットはオリジナルのBuenrostro et al. Nat. Methods (2013)と同じプロトコルですか?
ATAC-Seq Express Kitは、弊社のATAC-Seq Assay Kit (Cat No.53150) を基に開発されたもので、Buenrostro氏のオリジナル論文とCorcesらによる2017年のNature Methodsの論文を組み合わせています。さらに、より安定で効率的なアッセイを実現するため、バッファー組成を最適化しています。
ATAC-Seq Express KitはATAC-Seq Assay Kit (Cat No.53150) と比べて、どのように違うのですか?
ATAC-Seq Express Kitは、ATAC-Seq Assay Kit (Cat No.53150) とは異なり、プロトコルを1.5 mlチューブから0.2 mlチューブで実行できるよう最適化しました。このフォーマット変更により、マルチチャンネルピペットを使用した迅速な洗浄ステップが可能になります。また、ATAC-Seq Express KitではDNA精製にカラムではなくシリカビーズを使用しています。これらの主な違いにより、ワークフロー全体が大幅に高速化されています。
このキットに含まれるリコンビナントTn5酵素の供給元はどこですか?
本キットに含まれるリコンビナントTn5酵素は、弊社でクローニング、発現、精製、および社内品質テストを実施した高活性変異体です。キットに含まれるリコンビナントTn5酵素には、NGS解析用アダプターが事前に組み込まれているため、最適化やその他の準備を必要とせず、すぐに使用可能です。
反応に必要な細胞および組織の最小量はどのくらいでしょうか?
細胞の場合は1000細胞で解析した実績があり、組織の場合は20mgです。ただし、推奨量は細胞100,000個、組織30mgです。(※最小量で解析ができる場合もありますが、推奨するものではありません。)
凍結させた組織や細胞は使用することができますか?
はい。ただしサンプルは融解時に高い生存率を保ってないといけません。細胞サンプルの場合は、氷結晶の形成とそれに伴う細胞損傷を防ぐように設計された培地を使用して、制御された速度で凍結保存する必要があります(緩慢凍結法)。一方で、組織サンプルの場合は、液体窒素や-80℃で急速凍結する必要があります。
核を凍結保管することは可能ですか?
はい。抽出した核は-80℃で凍結保存してください。1度のサンプル調製で限られた量の細胞しか得られない場合も、プールすることでアッセイが可能となります。
FACSで選別した細胞を使用することはできますか?
可能です。注意点として、FACSによる選別の際に細胞がダメージを受ける恐れがあります。質の高いライブラリを得るためには、細胞 (特に核) が無傷でなくてはなりません。
組織サンプルで使用する40 ㎛メッシュのストレーナーでおすすめ品はありますか?
Falcon® 40 μm cell strainer (Corning社 Cat. No. 352340)をおすすめします。
全てのサンプルでDNase処理は必要ですか?
DNase処理は、ミトコンドリアDNAの除去や、サンプル中の死細胞が15%含まれる場合など、特定の状況において有用です。しかし、細胞にダメージを与えてしまう可能性があります。また、DNaseを除去できない場合には、解析に必要な細胞を失う恐れがあります。そのため、細胞が十分に生存可能で、DNaseの影響を受けない場合にのみ推奨しています。
Thermomixerを研究室で持っていませんが、ATAC-Seq Express Kitを使用できますか?
Thermomixerの使用を推奨していますが、ミキサーを使用せずに、37℃に設定したサーマルサイクラー (Lid温度調節可能なタイプ) によるインキュベーションでタグメンテーション反応が可能であることを確認しています。
Master Mixや酵素を含め、キットに含まれるすべての試薬は溶かして室温で使用できますか?
Assembled TransposomesとQ5 DNAポリメラーゼ以外のすべての試薬は室温で解凍できます。 Assembled TransposomesとQ5 DNAポリメラーゼはグリセロールが含まれているため溶かす必要はなく、そのまま氷上に置いてください。その他の試薬は凍結融解が可能なので、16反応すべてを同時に行う必要はありません。
最終的なライブラリーサイズ、およびフラグメントアナライザーを用いたライブラリトレースの例はありますか?
シーケンスのリード数は1サンプル当たりどのくらいが必要ですか?
通常、3,000万ペアエンドリードで十分ですが、最低でも2,000万リードは必要です。ただし、サンプルのゲノムサイズが非常に大きな場合や、より高度な解析が必要な場合は、より多くのリードが必要になる場合があります。
ATAC-Seq Express Kit で16種類以上のマルチプレックスは可能ですか?
ATAC-Seq Express Kitには、4x4個のユニークデュアルインデックスが付属されており、最大16サンプルのマルチプレックスが可能です。キット内のインデックス付きプライマーは、N701-N704およびN501-N504に対応するイルミナ社製 Nexteraプライマーと同一の配列です。16サンプル以上のマルチプレックスをご希望の場合は、Nextera™-Compatible Multiplex Primers (96 plex) kit (Cat. No. 53155) により、最大96サンプルまでマルチプレックスが可能となります。これらのプライマーは25 µMの濃度で提供され、当社のキットに直接使用することができます。また、他のイルミナ社製 Nexteraプライマーを購入し、キット内のプライマーと同じ濃度 (25 µM) で組み合わせて使用することも可能です。
ATAC-Seq Express Kitの資料
ATAC-Seq Express Kit Manual [Japanese]
ATAC-Seq Express Kit Manual [English]
こちらもご参照ください:
| Name | Format | Cat No. | 価格 (税抜) | |
|---|---|---|---|---|
| ATAC-Seq Express Kit | 16 rxns | 53157 | ¥268,000 | Buy |






